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「社会の偏見を取り除くのは回復者自身の責任である」

〜ウィリアム・L・ホワイト


依存症、精神障がい、生きづらさの病気・困難は回復が可能です。
しかし、回復は可能であり、新しい生き方を手にすることができるという事実は、社会の中でほとんど知られておらず、病気・困難を抱える本人や家族の人たちにもよく知られていない状況にあります。
回復が信じられず、回復の道につながるきっかけが得られず、長いあいだ病気・困難を抱え続け、あるいは悪化させていき、やがては死んでいく人たちも無数にいます。そして、社会にはこれらの病気・困難に対する無知と偏見が少なからず存在しています。

私たちは、このリカバリー・パレード「回復の祭典」を通じて、何よりも自分たちの回復の喜びを分かち合いたいと考えます。
そして、私たちを通じて回復を見てもらうことから、社会の人たちが、回復は可能であり、現実であることを知るようになり、これまでよりずっと多くの人たちが回復を実現できる社会になっていくと考えています。

リカバリー・パレード「回復の祭典」を実現し、これを通じて社会に私たちを知ってもらうようにすることは、貴重なかけがえのない回復という経験と力を得た私たちの責任でもあると考え、新しい一歩をみんなで作り出していこう!とするものです。
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(1)私たちは回復者、家族、友人、支援者、賛同者で一緒に回復の喜びを分かち合い、回復があることを社会にアピールします。
(2)私たちは依存症、心の病から回復するための手助けをします。
(3)私たちは回復者(団体)同士の交流を深め、社会との協力関係をつくります。

「回復」について

「回復」とは何か?

「回復」とは何でしょうか。
私たちは何が回復か(何が回復でないか)を決めません。
その人本人が、以前より良くなったことを喜べるのなら、それが「回復」です。
特定のグループ(例えば12ステップグループ)の回復の考え方を採用することもしません。回復は人それぞれです。
回復の方法も決めません。
グループに通って回復している人の隣で、(例えばインターネットを使って)一人で回復中の人が歩いている。
そんなパレードを目指します。

合い言葉はただ一つ「回復」のみ。
あなたが回復を喜べるなら、それが「回復」です。

「依存症、精神障がい、生きづらさ」からの回復とすることについて

アメリカにおける回復擁護運動は、アルコールや薬物のアディクションのみを対象としています。私たちのリカバリー・パレードも回復擁護運動に着想を得て準備が始められたため、当初はアディクションのみを想定していました。
しかし、回復した人たちで集まり、パレードの実現に動いていく中で、様々な人たちが合流してきました。その人たちも、病気・困難を抱えた状態から、それぞれに「生きられるようになった!喜び」を得たことは、アディクションの人たちと同じでした。

私たちが直面した病気・困難の状況、あるいは回復の仕方は、様々です。
その私たちが共通して示すことができる回復を言葉にしよう! とする中で「依存症、精神障がい、生きづらさからの回復」と表すことになりました。参加者の一人一人が、いずれかあるいはいくつかに当てはまる言葉になっています。


★12ステップグループのアノニミティについて

●アノニミティ(無名性)を保って、パレードに参加することができます

パレードに個人の実名を出して活動する時には、自分の12ステップグループ名を伏せることで、アノニミティの伝統が守られます。
自分の話をする時には、自分の12ステップグループのことを明らかにせずに、自分の回復のことについて話をすることで、アノニミティは守られます。

●いろんな名前の出し方、参加の仕方があります

パレードの活動には、必ずしも実名を出す必要はありません。実名でも、ニックネームでも、参加者それぞれが自由に選んで活動しています。

●12ステップグループのメッセージの機会として参加すること

パレードの活動の中に、12ステップグループとしても参加できる機会を設けたいと考えています。例えば、各グループの紹介を行う機会を持つこと等が考えられます。各グループとして参加する機会については、これから検討、相談していきたいと考えています。

●新たに活動を作っていくということ

パレードの活動は、社会の中で私たち自身のことを積極的に見てもらう機会を設け、広く知ってもらおうとする、これまでにない新しい活動です。これからの活動は、これから私たちが新たにつくっていくものになります。まだ回復のことを知らない人達に、回復のことを知ってもらえるように、そして社会の中で回復の輪を広げていく力となるように、活動に賛同する方たち、是非、私たちと一緒に、これからの新しいパレードをつくっていきましょう

第3回リカバリー・パレード「回復の祭典」実行委員会